「もーいーかい??」
「まーだだよ!」
「もーいーかい??」
「まーだだよ!」
いつも簡単に見つかっちゃうからな。
今日は絶対見つからない。
とっておきの場所を見つけておいたんだ。
「もーいーかい??」
「もーいーよ!」
「みーっけ!」
ははは、あいつ、もう見つかっちゃったか。
いつもの僕みたいだ。
ここは見つからない、余裕だな。
漫画でも読んでおこうか。
「みーつけた!」
僕はそっちにいないよ。
「はい、みつけた!」
どんどん捕まってくな。
でも、まあ、大丈夫だろう。
ここに隠れるのを誰にも見られていなかったしな。
「見つけた!」
とうとう、僕一人になってしまったか…。
でも、見つけることできるかな??
「どこに隠れてるんだ…??」
「前はここだったよな??」
「いないぞ…」
「あっちか!」
いや、そっちじゃ…
あっちの方で探してる。
あんまり見つからないのも寂しいな。
自信はあったけれど、こんなに時間がかかるとは思ってなかった。
早く見つけてくれよ。
「あいつどこに隠れてんだ…??帰ったりしてないよね…。」
「自転車はあるからそれはないと思うよ。」
風が吹き、木の葉が揺れ落ちた。
「あっ…!」
「みーっつけた!」
そんな時、兆しの妖精はちょっとしたいたずらをしてみせるのかもしれない。